「実家の生前整理は、いつから、どう始めればいいのだろう」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、生前整理は親が元気で判断力がしっかりしているうちに、家族で話し合いながら計画的に進めるのが一番です。
この記事では、始めるタイミングの見極め方や、親とトラブルにならない進め方、業者に依頼する場合の選び方まで分かりやすくご紹介します。
実家の生前整理とは?遺品整理との違い
生前整理とは、本人が元気なうちに、家具や家電、衣類などの持ち物を本人または家族と一緒に整理していくことです。
単に不要な物を捨てるだけではありません。
これからの生活に必要なものを選び、暮らしやすい環境をつくることも、生前整理の大切な目的です。
似た言葉に「遺品整理」がありますが、行うタイミングが異なります。
| 生前整理 | 遺品整理 | |
|---|---|---|
| 行う時期 | 本人が存命中 | 本人が亡くなった後 |
| 主体 | 本人・家族 | 遺族 |
| 主な目的 | 暮らしを整える・将来の負担を減らす | 遺品の整理・形見分け |
生前整理の大きなメリットは、持ち主本人に確認しながら進められることです。
「この食器は誰にもらったものなのか」
「この写真は残したいのか」
「この家具はまだ使うのか」
といったことを本人に確認できるため、家族だけで判断する必要がありません。
実家の生前整理はいつから始める?
生前整理に「○歳になったら始める」という明確な決まりはありません。
むしろ年齢だけで判断するよりも、暮らしの中に変化が出てきたときを一つのきっかけにするとよいでしょう。
たとえば、久しぶりに実家へ帰ったときに物が増えていたり、廊下が狭くなっていたり、高い場所の片づけを親が大変そうに感じていたりする場合です。
また、
「そろそろ家を小さくしたい」
「今後は一人でこの家を管理するのが大変そう」
「施設への入居や住み替えを考え始めた」
といった生活の変化も、生前整理を考えるタイミングになります。
重要なのは、
「生前整理をしなければならないから始める」のではなく、「これからの暮らしを少し楽にするために始める」
と考えることです。
実家の生前整理は親が元気なうちに始めるのがおすすめ
実家の片づけは、親が元気で自分の持ち物について判断できるうちに始める方が進めやすくなります。
本人に確認できるため、
「これは必要なのか」
「誰に譲りたいのか」
「思い出として残したいのか」
を家族だけで決めずに済むからです。
また、実家に物が増えすぎると、生活するための通路が狭くなったり、高い場所に物を置いたままになったりすることもあります。
「将来、子どもが困らないため」という理由だけでなく、
親自身が今の家で暮らしやすくなるため
という視点で考えてみましょう。
実家の生前整理は何から始める?7つの手順
実家の生前整理でありがちなのが、
「とりあえず押し入れから全部出そう」
と始めてしまうことです。
しかし、最初から家全体を片づけようとすると、物の多さに疲れて途中で止まってしまうことがあります。
順番を決めて、少しずつ進めましょう。
STEP1.親と「なぜ片づけるのか」を話す
最初に行いたいのは、物を捨てることではありません。
親と目的を共有することです。
子どもから突然、
「物が多すぎるから片づけよう」
「もう使っていないんだから捨てよう」
と言われると、親からすれば自分の暮らしや思い出を否定されたように感じることがあります。
「高いところの物を取るの、大変じゃない?」
「この通路、もう少し広くした方が歩きやすそうだね」
など、今の暮らしを楽にするところから話してみましょう。
STEP2.家全体を確認して優先順位を決める
次に、実家全体を見て、
「どこから片づける必要があるのか」
を確認します。
最初から収納の中身を全部出す必要はありません。
玄関、廊下、階段、リビングなど、まずは普段よく通る場所を確認しましょう。
物が床に置かれていて歩きにくい場所など、生活のしづらさにつながっている場所があれば、そこから優先します。
逆に、普段ほとんど使っていない物置などは後回しでも構いません。
STEP3.明らかに不要なものから始める
最初から写真や手紙、思い出の品に手をつけると、判断に時間がかかります。
まずは親も比較的判断しやすいものから始めましょう。
たとえば、
使っていない空き箱。
壊れている物。
大量にたまった紙袋。
使い切れない日用品。
などです。
判断しやすいものから少しずつ進めることで、片づけのペースをつかみやすくなります。
STEP4.「使う・残す・手放す・保留」に分ける
物を整理するときに、
「捨てる・捨てない」
の二択にすると、なかなか決められません。
そこで、
使う
残す
手放す
保留
くらいに分けてみましょう。
今も使っているものは使いやすい場所へ。
思い入れがあり残したいものは残す。
本人が「もう使わない」と判断したものは手放す。
その場で決められないものは保留にします。
大切なのは、迷っている物を無理に処分しないことです。
STEP5.大切な書類や貴重品は別に確認する
一般的な実家整理の注意として、書類や貴重品は、不用品と一緒に勢いで処分しないようにしましょう。
家の整理をしていると、昔の書類や封筒、通帳などが同じ引き出しに入っていることがあります。
内容を確認せず、
「古い紙だから全部捨てる」
と判断するのは避けます。
何を残すべきかわからないものについては、その場で処分せず、確認用として分けておく方が安全です。
STEP6.写真や思い出の品は最後に整理する
アルバム、手紙、子どもの作品などは、最も判断に時間がかかりやすいものです。
そのため、最初ではなく、ある程度片づけに慣れてから取り組むのがおすすめです。
思い出の品は、
「使っていないから不要」
とは判断できません。
本人にとって大切なら、残して構いません。
収納スペースだけ決めて、
「この箱に入る分は残す」
というように上限を設ける方法もあります。
STEP7.残したものの定位置を決める
不要なものを減らしただけでは、片づけは終わりません。
最後に、
残したものをどこに置くのか
を決めます。
普段よく使うものは、取り出しやすい場所へ。
重いものは無理に高いところへ置かない。
使用頻度の低いものは奥へ。
というように、今の生活に合わせて収納を考えます。
「昔からここに置いているから」ではなく、現在の親にとって使いやすい場所かどうかを基準にしましょう。
親が生前整理を嫌がるときはどうする?
実家の生前整理で難しいのは、物の量だけではありません。
親と子どもで、
「必要だと思うもの」
が違うことです。
子どもから見れば不要に見えても、親にとっては大切な思い出かもしれません。
そのため、
「これいらないよね?」
「こんなに残してどうするの?」
と、捨てることを前提に話すのは避けましょう。
代わりに、
「これ、今も使ってる?」
「どこに置いたら使いやすい?」
「これは大切なもの?」
と、本人に判断してもらいます。
そして、生前整理そのものを嫌がっている場合は、
「生前整理しよう」と言わなくても構いません。
「片づけよう」
「使いやすくしよう」
「この棚だけ一緒に整理しよう」
くらいから始めてもよいでしょう。
実家の生前整理で捨てることを急がない方がよいもの
実家を片づけていると、
「こんなものまで残してあるの?」
と思うこともあるかもしれません。
しかし、子どもの判断だけで処分するのは避けましょう。
特に、
本人が大切にしている思い出の品。
家族に関係する写真やアルバム。
中身を確認していない書類。
価値がある可能性のあるもの。
などは、その場で処分せず、一度確認することが大切です。
生前整理の利点は、本人に聞けることです。
「これは何?」
「誰にもらったの?」
と聞いてみると、物にまつわる家族の話を聞けることもあります。
効率だけを優先して一気に捨てるのではなく、本人が納得できるペースで進めましょう。
家族だけで実家の生前整理が難しい場合はどうする?
実家が遠方にある場合や、物の量が非常に多い場合は、家族だけで片づけるのが難しいこともあります。
その場合は、外部のサービスを利用する方法があります。
ただし、
「片づけを手伝ってほしい」のか
「不要な物を処分してほしい」のか
によって、依頼先は変わります。
整理収納サービス
「何を残せばいいかわからない」
「親と一緒に整理してほしい」
「捨てる前に、まず暮らしを整えたい」
という場合は、整理収納サービスが向いています。
持ち物を一緒に確認しながら、必要な物を選び、使いやすい収納を考えていきます。
不用品の処分を依頼するサービス
すでに不要なものが決まっており、
大きな家具などを自分たちで運べない場合は、処分を依頼する方法があります。
買取サービス
まだ使える家具や家電、趣味の品などについては、買取を検討できる場合もあります。
ただし、売ることを優先しすぎると、査定や出品に時間がかかって片づけそのものが止まることもあります。
「高く売ること」と「家を片づけること」のどちらを優先したいのか、あらかじめ考えておきましょう。
「何を捨てればいいかわからない」なら整理収納の専門家に相談する方法も
実家の生前整理では、
「処分する物は決まっているけれど運べない」
というケースもあれば、
「そもそも何を残せばいいのかわからない」
というケースもあります。
後者の場合は、いきなり不用品を処分するのではなく、まず整理収納から始める方法があります。
Polite Livingでは、整理収納アドバイザー歴8年・家事代行歴7年の経験を生かし、お客様の「こうしたい」という気持ちを聞きながら、一人ひとりに合った整理収納を大切にしています。
整理収納アドバイザー1級に加え、終活アドバイザー・遺品整理士の資格も保有しています。
「親に無理に物を捨てさせたくない」
「どこから始めたらいいかわからない」
「家族だけだと話が進まない」
という方も、まずはご相談ください。
実家の生前整理についてよくある質問
実家の生前整理は何歳から始めるべきですか?
年齢だけで決める必要はありません。
親が元気で、自分の持ち物について判断できるうちに始めるのがおすすめです。
物が増えて通路が狭くなってきた、高い場所の片づけが大変になってきた、住み替えを考え始めたなど、生活に変化が出てきたときも一つのきっかけです。
実家の生前整理はどこから始めればいいですか?
まずは、玄関や廊下など日常的に使う場所を確認しましょう。
その後、空き箱や壊れているものなど、親本人も判断しやすいものから整理するのがおすすめです。
写真やアルバムなど思い入れの強いものは、後回しにすると進めやすくなります。
親が物を捨ててくれません。どうすればいいですか?
捨てることを目的にしないことが大切です。
「捨てて」と言うのではなく、
「これは今も使ってる?」
「どこに置いたら使いやすい?」
と本人に判断してもらいましょう。
本人が残したいものについては、無理に処分する必要はありません。
遠方の実家でも生前整理できますか?
一度ですべて片づけようとせず、帰省するたびに場所を決めて少しずつ進める方法があります。
物量が多い場合や家族だけでは難しい場合は、整理収納や処分など、必要な部分だけ外部サービスを利用する方法もあります。
実家の生前整理と遺品整理は何が違いますか?
大きな違いは、本人が生きているうちに行うか、亡くなった後に行うかです。
生前整理であれば、本人の意思を確認しながら何を残すか決められます。遺品整理との詳しい違いについては、別記事でも解説しています。
実家の生前整理は「捨てる」より、親と一緒に暮らしを整えることから
実家の生前整理は、
「将来困らないように、今のうちに全部捨てること」
ではありません。
親がこれからも暮らしやすいように、
今使っているもの、大切にしたいもの、もう役目を終えたものを一緒に確認していくこと
が大切です。
いきなり家全体を片づけようとする必要もありません。
まずは、
「この廊下だけ」
「この棚だけ」
という小さな場所から始めてみましょう。
そして、本人が迷うものは無理に処分しないこと。
生前整理は、親のためでもあり、将来家を整理する家族のためでもあります。
親が元気な今だからこそ、本人の気持ちを聞きながら少しずつ進めていくことができます。
まずは次に実家へ帰ったとき、「片づけなきゃ」ではなく、「最近、暮らしにくいところない?」と聞いてみるところから始めてみてください。



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