私にとって初めてのお客様のお話を書いていこうと思う。
すべてが初めてだった。
片付ける前に「悩み」を聞く
正直に言うと、かなり大変な現場でした。
初めてのお客様は幼稚園と小学生の子どもを持つ働くママからの依頼。
2LDKのアパートは、足の踏み場もないくらいに物が散乱していた。
ママはすごく疲れているように暗い表情だった。
「どうしても一気に片づけたい」という強い気持ちが、最初のメッセージから伝わってきた。
初回で5時間は長いけれど年齢も若いので受けた。
片付けは体力も気力もいるので大変な作業になる。
初回は3時間くらいで慣れてもらうのが今の私のやり方。
私も初めての片付けサポートでメッセージのやり取りに時間をかけた。
お客様によってはメッセージのやり取りも難しいくらい忙しい方もいることをこの後、知ることになる。
今はある程度の簡単なやり取りで当日を迎える。
お家に入って現状を見れば、問題点も分かるし、少し話を聞けば何が一番の悩みか分かる。
実際にその場に立つことが何より重要だと今は知ってる。
この時は、写真を送ってもらっていた。どこから始めるか、頭の中でシミュレーションはしていた。
でも現場に着いてまず私がしたことは、片付けを始めることではなかった。
お客様に聞いた「何に一番悩んでいますか?」
今はこの質問はしない。お家を見れば分かるから。
今は「片付けたい理由はなんですか?」って聞く。
どんな理由でもいい。そこに根っこがある。
私の経験からそれが分かれば、片付けの方法は変わる。
アプローチが変わる。
だから私の場合は、片付けたい理由を聞く。
本当の問題は「モノ」じゃない
最初は「どこもかしこも気になる、全部直したい」という答えだった。
要は、よくわからない。ということ。
悩みを聞くと最終的に家族のことや自分の性格の話になる。
片付けの根本の悩みはモノの整理や収納の悩みじゃない。
不思議だけど片付けって心の問題が表に出てるんだと実感する。
もう少し話を聞いていくと、ご主人への不満が出てきた。
家のことを何もしてくれない、と。
疲れているのは、散らかった部屋だけが原因じゃなかった。
大丈夫ですよ、と言いながら話を聞いた。
そしてこう提案した。
「ご主人を頼るんじゃなくて、ママがラクできる収納にしましょう。子どもが自分でわかる収納にすれば、大人のご主人にもわかるはずです」と。
本当の心のつっかえは片付かないことじゃないことが多い。
片付けは自分の心と向き合うこと。
お客様のペースで進める
そこから5時間、作業を続けた。
片付けの手順ややりやすい方法を話しながら一緒に進めた。
作業が終わる頃、お客様に疲れが見えた。私の経験不足だった。
長時間の作業でお客様が疲れていることに、途中まで気づけなかった。
気づいたときにすぐ水分を取って休憩するよう伝えたけれど、お客様は大丈夫と言って続けてくれた。
この経験から、今はメッセージのやり取りの時点で長時間の依頼は体力的に大丈夫か確認するようにしている。初めての現場で学んだことだった。
作業が終わったとき、お客様が言った。
「もっと自分のやりたいようにやっても大丈夫なんだ」と笑顔になった。
どこかで遠慮していたんだと思う。
片付けを通して、自信を取り戻してくれた瞬間だった。
今思えば、このときから私は自分のやり方を持っていた。
写真で事前に準備をしつつ、現場ではまずお客様の話を聞く。
お家の状態とお客様を見れば、何が問題かわかる。
初めての現場で整理収納アドバイザーとしての自分の原点ができた気がする。
このおうちは2回目も伺ってる。この時は8時間作業になった。
そして本当に晴れやかな笑顔を見ることができた。
たくさんのことを学んだ現場だった。
お客様のために。今もその想いを失うことなく追い求める。
これが私の仕事だと思った。この仕事を続けていく理由はたぶんこのときに決まったんだと思う。


コメント